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NTT「セット割引」に他社警戒 [経済ニュース]

 NTT東日本と西日本が今秋から始める光回線の卸売りを巡って通信会社間の応酬が激しくなっている。NTT側は光回線の利用率向上につながると理解を求めるが、KDDI(au)などのライバル会社は「NTTグループの競争力が高まり、独占回帰につながりかねない」と批判。議論は平行線のままだ。

 NTT東西はこれまで、光回線サービスを企業や家庭に直接販売してきた。ところが高速通信ができるスマートフォン(多機能携帯電話)などの普及で光回線の契約数は伸び悩んでいる。このため5月、光回線を企業に売る「卸売り」を始める方針を発表した。

 NTTによると既に約100の企業や団体から問い合わせがあり、そのうち3分の2が通信会社以外という。NTTの鵜浦(うのうら)博夫社長は「農業の情報通信技術の活用にもつながる」と幅広い産業への貢献を訴える。

 これに対し、KDDIなどのライバル事業者が懸念するのは、卸売りで可能になるNTTドコモの携帯電話とNTT東西の固定回線の「セット割引」だ。NTT東西の光回線のシェアは7割超。ドコモだけに優遇してサービスを提供することは電気通信事業法で禁じられているが、卸売り参入により、「公平な条件での提供」が可能となる。ドコモとのセット割引導入が現実味を帯びる。

 1日に総務省であった規制緩和などを議論する審議会の委員会に出席したKDDIの田中孝司社長は「巨大な顧客基盤を持つドコモが最も良い条件で卸売りを受けることになるのでは」と指摘。ソフトバンクも「セット割引は公正競争上の課題がある」(徳永順二ソフトバンクモバイル常務執行役員)と訴えた。今後、審議会は卸売りの可否とともに、チェック体制の具体策やNTTグループ内での取引のあり方などを議論する予定だ。【横山三加子】

◆NTTの光回線卸売りを巡る各社の主張◆

<NTT>

・多様な事業者が光回線を使うことで情報通信技術の市場を活性化

・公平かつ透明性を担保して提供

・NTTドコモのセット割引に道を開くが、それだけが目的ではない

<KDDIやソフトバンク、ケーブルテレビ事業者など>

・ドコモが光回線を販売できるようにするための手段だ

・料金や機能などでドコモを優遇するのではないか

・NTTグループの事実上の再統合が狙いではないか
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