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ぬいぐるみが旅 持ち主に人気 [経済ニュース]

 ぬいぐるみが名所をめぐったり、図書館で本を読んだり-。そんなファンタジーのようなツアーやイベントが盛況だ。その様子を収めた愛らしい写真は、大人に癒やしを、子供にはわくわくする体験を提供するサービスとして、人気を集めている。(戸谷真美)

 ◆ツアーネット配信

 ぬいぐるみ専門の旅行代理店「ウナギトラベル」(東京都港区、unagi-travel.com)には、宅配便で毎日「ツアー客」が到着する。東京ツアー(3700円)の場合、浅草や東京タワー、明治神宮などの名所をめぐり、参拝をしたり展望台から景色を眺めたり。途中、もんじゃ焼きやすしなど「客」の好みに合わせた「昼食」もとる。

 ぬいぐるみは、同社代表の東園絵さん(39)が公共交通機関を使って運び、ツアーの様子を写真に収め、フェイスブックやツイッターでリアルタイムに持ち主に配信。1回のツアー定員は6~7体程度だが、毎回ほぼ満員。昨秋、海外メディアが紹介したことで、欧米からの参加が2割に上るという。

 鹿児島市に住む竹之内愛さん(33)は6月、雷のぬいぐるみ「ゴロ」を横浜ツアーに出した。ぬいぐるみが大好きで「感情をもって動いたらいいのに」と思っていたが、大人になるとそんな気持ちは理解されにくい。だが、フェイスブックには同じような持ち主の声があふれ、新しいつながりができた。竹之内さんは車椅子のため遠方の旅行が難しいこともあり、「世界観を共有できるのがうれしいし、自分自身が励まされる」と話す。

 4年前からツアーを実施する東さんは「すべての方にアドベンチャー(冒険)を提供したいと思って始めた。旅の理由はそれぞれなので、お客さまの気持ちに寄り添うことを心がけています」。預かる際のアンケートでは名前や性別はもちろん、エピソードや乗り物酔いの有無まで尋ねる。利用者には、高齢や病気で旅行が難しい人や、「妻の育児の息抜きに」と申し込んだ男性も。父の仕事の関係で終戦直後の日本で少年時代を過ごした米国の70代男性が、「美しかった日本に自分の代わりに行かせたい」と当時から大事にしていたテディベアを送ってきたこともあった。昨年は東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市でカキ漁を「体験」するツアーも行った。今後はツアー先を増やしたり、企業訪問なども手がけたいという。

 ◆図書館にお泊まり

 図書館にもぬいぐるみを使ったイベントが広がっている。米国の図書館で始まったとされる「ぬいぐるみのお泊まり会」。平成22年に国立国会図書館がサイトで紹介して以降、国内でも開かれるようになった。公共図書館など約400館の運営に携わる図書館流通センター(文京区)によると、昨年度は全国で22館が実施した。

 東京都杉並区立中央図書館が6月に開いたお泊まり会は、抽選になるほどの人気だった。当選した0~12歳の15人が預けたぬいぐるみが、お話し会や書庫の探検、本の補修などをする様子を5人のスタッフが写真に収め、手作りアルバムと一緒に返却。子供たちは「かわいい」「こんなことしてたんだ」と喜び、「ぬいぐるみが読んだ本を借りたい」と、後日訪れる母子もいた。

 イベントを担当した同館スタッフの山崎郁乃さん(35)は「自分では選ばない本を知ってもらったり、図書館は『静かに勉強しないといけない場所』ではなく、明るくて楽しい場所だと思ってもらえれば」と企画の意図を説明する。同館では今後、参加人数を増やせるよう検討していくという。
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