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旅しながら働く LCCも後押し [経済ニュース]

 旅をしながら働く-。そんなノマド(遊牧民)のライフスタイルを追求する若者が増えている。交流サイト(SNS)を活用することでオフィスなど特定の拠点がなくても仕事ができるようになったことに加え、格安航空会社(LCC)の普及も活動範囲を広げるのに一役買っている。なかには住まいすら持たない生活を謳歌(おうか)する“ノマドワーカー”まで出てきた。(織田淳嗣)

 ◆LCCも後押し

 「LCCが後押しになって自分の夢の“縮小版”をかなえることができた」

 ネットショップを経営する大阪府茨木市の麻丘亜希さん(31)は昨年から月に1度、1週間程度の旅行を楽しむようになった。

 販売しているのは、披露宴で新婦がデザートを来場者に振る舞うイベントの際に身につけるウエディングエプロン。デザインは自らが行うが、生産と発送業務は外注だ。旅行中は交流サイトのフェイスブックをチェックし、注文が入っていれば旅先で商談をこなす。

 ◆夢もかなえ両立

 麻丘さんの夢は「世界中の高級ホテルで月の半分を過ごすこと」。そのために少しでも自由な時間をつくろうと、ホテル勤務を辞めて平成22年に起業。1着当たり7800円というリーズナブルな価格とデザインの良さが受けて人気となったが、忙しさで旅行どころではなくなり、「本末転倒だ」と昨年春に仕事を中断。

 それでも、エプロンを待ち望むファンも多かったことから一念発起。品数を絞って時間を確保できるようにして仕事を再開、空いた時間にはLCCを活用して交通費のかからない国内やアジアへの旅行も始めた。

 「旅行で心のゆとりができ、仕事も好転した。夢だった旅行との両立ができている」と麻丘さんは言う。

 ◆パソコン片手に

 交流サイトを通じて自分自身の“ブランド化”に成功したり、仕事道具のパソコン片手に全国を巡業して回ったりするノマドワーカーも。

 世界中を旅をしながらパソコンを使ってサイトを立ち上げ、その広告収入で生計を立てているという阪口裕樹さん(26)。ネットに書き込んだ体験談が話題となり、今年4月には自伝「うつ病で半年間寝たきりだった僕が、PC一台で世界を自由に飛び回るようになった話」(朝日新聞出版)を出版。新聞各紙の書評で取り上げられるなど大きな注目を集めている。

 LCCの有効活用に関する勉強会を主催し、自ら講師も務める沖縄県出身の大濱幸太郎さん(33)は勉強会の参加費(6月現在、1人当たり9800円)で暮らす。家は持たず、機内持ち込みサイズのスーツケース一つに荷物をまとめ、ホテルや知人宅を泊まり歩きながら全国で勉強会を開いている。

 ミュージシャンなどの職を渡り歩いてきた大濱さんだが、30代になって「世界中を旅したい」という子供の頃からの夢を実現するために昨年、都内の賃貸マンションを引き払い、家なし生活をスタートさせた。

 勉強会で配る資料は自身のタブレット端末で作成、コンビニのコピー機で印刷。移動はLCCを使い、自身のノウハウを駆使して関西国際空港-沖縄・石垣空港を片道301円で移動したこともあるという。

 勉強会参加者の感想がネットの口コミで広がり、勉強会は満席になるほどの人気だ。収入は月によって異なるが、大濱さんは「生活するには十分で、貯金もできている。働きたいときに働くことができることが大切だ」と話している。
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